「なまいきシャルロット」、「小さな泥棒」で爆発的人気を博したシャルロット・ゲンズブールも、なんと今年で32歳に なった

という。けれども、その儚げな雰囲気は10代の頃から少しも変わっていない。そんな彼女が、夫で俳優の イヴァン・

アタルの監督デビュー作に出演。

女優を妻に持つ、スポーツ記者の夫の嫉妬の日々に、ユダヤの習慣にかき乱されるセルフ・パロディを盛り込んだ 映画は、

その名もずばり「僕の妻はシャルロット・ゲンズブール」。

「観客は僕たちの私生活を覗き見している気分になると思うが、シナリオはあくまでもフィクションとして書いたもの。

「僕の妻はアクトレス」というのが原題だけれど、最初から「僕の妻はシャルロット・ゲンズブール」というタイトルだった から、

到底1本では収まりきらずにパート2、パート3まで作ることになったはずだ」

そんな夫に応えるかのように、映画の中のシャルロットは、近年の出演作ではお目にかかれなかった愛らしい表情 や明るい

笑い声をはじけさせている。

「彼を落胆させたくないという気持ちが強すぎて、最初のうちは今までのどんな監督の時よりプレッシャーを感じた。 でもそれが

少しずつ、一緒に仕事ができる喜びに変わっていったの」

イヴァンは、彼女の新たな魅力を引き出すだけでなく、監督の権限を行使してスチュワーデスのコスチュームを着 せたりする。

「巷にはスチュワーデスに巨大な妄想を抱いている男が多いから、テレンス・スタンプと共演する妻にスチュワーデス の衣装

を着せて、映画のなかのイヴァンをいじめてやろうと思ったんだ」

「あなたは笑ってるけど、私は非常時の確認事項とか真剣に練習したのよ!」

そういって、口を尖らせたおなじみの表情をイヴァンに向けるシャルロットは「私生活では私のほうが彼より嫉妬深い のよ」と、

伏目がちにはにかんだ。