フランスきっての人気女優。そんな女性を普通の男が妻にしたら。結婚生活はどうなるのか。

「僕の妻はシャルロット・ゲンズブール」は、そんな若い夫婦の葛藤をコミカルに描いている。監督はシャル

ロットの実際 の夫イヴァン・あたる。この映画は彼の長編デビュー作でもある。


―正直とても面白くて驚きました。ウディ・アレンの映画を彷彿とさせるようなユーモアとセンスの良さを

感じました。

イヴァン「そう言ってもらえると嬉しいね。ウディ・アレンの映画は僕もシャルロットも大好きで彼の作品は

もっと高い評価を 受けてしかるべきだと言ってるくらいだからね」


―映画のなかのようにシャルロットに嫉妬することは?

イヴァン「僕は一切ないけど、もしかしたらシャルロットは感じてるかも。どう?」

シャルロット「私のほうが嫉妬してるかもしれないわね。例えば、彼の映画の撮影現場に行くと、必ず嫉妬

というか、 哀しい思いをしてたわ。映画ってすごく特殊な現場で、まったく関係のない
自分がそこに行くと、

すごく疎外されてるって感じるの」



―イヴァンの監督としての才能をどう感じましたか?

シャルロット「彼は一緒に暮らし始めた当初から映画を撮りたいって言ってたの。でも、これだけ才能が

あるなんて思っても いなかったわ。映画を観て、正直驚いたもの。彼がもっている実行力というか感性に、

女優としてもとても魅力を感じました。


―イヴァンから見て、シャルロットはどんな女優?

イヴァン「彼女はどんな役をやっても自然に見える。ジーナ・ローランズのように、演技しているように見え

ない女優なんだ。 だから批評家たちは彼女が素で演じてると思ってるけど、大きな間違い。それに彼女の

素を知っているのは僕だけだからね」

―シャルロットは、家庭ではどんな奥さん?

イヴァン「機嫌のいいときもあるし、悪いときもある。ごくごく普通の女性だよ」

―あなたたちは仕事と家庭を両立させています。結婚生活をうまく送る秘訣は?

イヴァン「それは僕の次の作品を観て、見つけてよ(笑)」

シャルロット「私たちだって、今はこうして話してるけど、帰りの飛行機でケンカして別れてしまうかもしれ

ない。どんな夫婦も 危険をはらんでいるものよ」

イヴァン「夫婦が別れずに生涯をまっとうする。今の時代、一番難しいことのひとつだということは確かだね」